World of Game
他人の頭と完全に同調することは出来ない。失敗すれば自分だって危険だ。
そんなことはわかっている。
それでも危険を冒したのはどうしても、知りたかったから。
何故こんなにも興味がわいたのかはわからない。
小夜は一人、暗闇の中を歩いて進んでいた。
少しずつ頭が辛くなってくるのは、他人とのシンクロの負担が来ているのだろう。
でもそれは、正しい道を進んでいる証拠。
長い時間此処にはいられない。
急いで、少しだけ――
ほんの少しだけ見て帰ろう。
そう、目的を忘れるな。
重い頭を抱えながら、自分にいい聞かせ進んだ。
前方に暗闇の中淡い光を放つ線が二筋見えてきた。
まるでDNAモデルみたいに螺旋に絡み滞りなく流れている。
それはよく見れば、映画フィルムのように絵がつなぎ合わさっている。
充分に近づくと一本の線だけで小夜の背丈より大きい。
小夜はもう一度気合を入れて、深呼吸した。
そして――線の中へと飛び込んだ。