World of Game
さっきのブロックを抜けたのに、まだラスクディルの叫び声が耳から離れない。
小夜は恐怖に震えていた。
その時、キィーンと頭に何かが響いた。
小夜は恐る恐る頭を上げる。
小夜の落下が止まっていた。
だが、ブロックに降り立ったという訳でもない。
丁度何も無いところに一人浮かんで静止しているのだ。
おかしい。
何故かはわからないが、直感的にそう思った。
辺りが何だかピリピリしてくる。
これ以上は危険だ。
小夜が上を向いて上昇し始めたその時だった。
辺りのブロックが一斉に振動し始めた。
そよ風が吹く。
弱い風から段々と強くなる。
と、いきなり突風が吹いた。
小夜は飛ばされないように体を縮めた。
「お前か…!!」
ドスの聞いた、恐ろしい声が聞こえた。
そこには、恐ろしい形相で睨むラスクディルが立っていた。