World of Game

払われた腕にならい、巻き込まれて濁流や、もやのすべてが溶けて消えた。

広がったのは暗闇と、大きなブロック群。

「何だ此れは…」


辺りを見回す。
奥に何かが見えた。

――人

覗いていたのはアイツか!


ギリ、と歯軋りと、手を握った。

それに反応してブロック群が小刻みな振動を始めた。


ラスクディルはまた、なぎ払った。

突風が起こり、自らも吹き飛ばされる。
ブロック群にぶつかると思って手で顔を庇った。


奥の誰かも同じようにしているのが見える。

風に運ばれてその人に近づく。


ブロック群が無くなると手を下ろして奥を見つめた。

いるのは人、それも子供。


「!!」


風が収まる頃、子供の正体がわかった。

あの、砺波とかいう今回のモノを造った奴。
相手がわかったことで怒りが増幅した。


「お前か…!!」


砺波が振り向いたとき、頭に大きな衝撃が走った。

体が透けて見える。
此処の世界での限界が来ていることを悟った。

――ふざけるな!

奴には僕の屈辱を知った罪を与えなければ――!!



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