World of Game
手を引かれながら、みんなの態度で何かが起こったことだけは予想できた。

きっとそれがよくない事だってことも。

でも口には出さない。

皆が何のために此処までしてくれるのかがわかっていたから。


エレベータの前にたどり着く。

小夜たちが向かっているのは、地下。

そこに通称‘タイムマシーン’がある。
それを使って小夜の世界に帰るのだ。


弥生によると通称、とつくのはホントに時代だけを飛び越えているのかがわからないからだそうだ。

実験によって行った場所の年号などが違うことから時間を越えていることはわかる。

だがしかし、周りの環境などが違いすぎる事と弥生たちの世界の年号をその世界の人間は全く知らないことから、時間や空間ではなく異世界に飛んでいるのではないかという議論が起こっている。

もっとも、行った場所も弥生たちもそれが事実かどうかを調べる術もまだ持たないという。


小夜の世界に帰れるかもまだはっきりとしない代物で半分は賭け。
しかし小夜を連れてきたのもその装置だ、と希望をかけているのだ。


エレベータの扉が開く。

急いで乗り込む。
こんな時、エレベータの扉の開閉の早さがもどかしい。

小夜は、真空状態に備えて耳を塞いだ。


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