World of Game
一方、小夜たち
小夜たちは、狭い通路の両方を幹部とその部下(もちろんロボット化している)に塞がれていた。
逃げ道は無い。
小夜は弥生にささやいた。
「弥生……どうしよう?」
弥生の頬を汗が伝う。
聞かれた弥生自身、どうしたらいいかわからない。
強行突破するにも敵の数が多すぎる。
どうする…どう切り抜ければいい……
それだけが頭を廻る。
そんな弥生の様子を見て小夜はかなりのピンチであることを改めて悟った。
何か奇跡でも起きない限り、どうすることも出来ない……
そんなことをしている間にも感情の消された機械たちがじりじりと迫ってくる。
その時、小夜たちが何よりも望んでいたことが起きた。
フッといきなり辺りが暗くなったかと思うと、両サイドから、ガシャン、ガシャンと機械たちが支えをなくして崩れ落ちた音が聞こえた。
「走れ!!」
暗闇にも関わらず、弥生の声に小夜たちは一斉に走り出した。