World of Game
全員の視線が一瞬で自分に向き、小夜は一瞬面食らった。
「あ、あの話の続きいいよ?」
皆が釘付けなので少し体制を低めて席に着いた。
「じゃあ槙さん、小夜の恥ずかしい話お願いします♪」
「ブッ!!」
とても明るい声で言った早苗の言葉に小夜は飲もうとしていた紅茶を吐き出した。
「小夜汚いよー」
「ゲホ、ゲホゲホ。さ、早苗、あんた、ゲホッ、ねぇ!」
紅茶にむせ言葉にならない。
文句の替わりにジロッと早苗を睨みつつテーブルを拭く。
早苗は「小夜こわーい」と身をくねらせる。
「んで、砺波はさ。どうすんだよ、この手紙について」
腕を頭の後ろで組んでことの成り行きを見ていた由宇児が口を開いた。
からくも小夜の紅茶攻撃を逃れた封筒はテーブルの隅にある。
「……正直わからない。でも、このままにしておくのはダメだと思う
。だとしても、私に何ができるのか、どうやってあの世界まで行くか。問題は山積みで…」
うーん…と考え込む。
「てかさ、」
顎に手をあてて小夜が聞く。
「皆あの話信じるの?」