World of Game
店の戸締りやらなにやらの確認を終えて、小夜は部屋にもどった。
体をベッドに投げ出し、天井を仰ぐ。
体の中にたまっていた悪いものがスッと出て行ったような感覚だった。
不思議だ。
攫われてからのことは出来れば一生思い出したくなかったことだったのに、逆にこうして皆に話す──いや、受け入れてもらうことで背中の重荷が一気になくなった気分になる。
しかし──
此れは過去に起こった事であり、この現代で奴らが接触してきたことに関しては何の解決にもなってはしない。
本当に何かが起きるのはこれからなのだ。
10年前の二の舞だけは避けたい。
それには、やはり誰も巻き込まずにやるしかない。
そう、誰も死なせはしないために
自分が────
小夜は考え事をしたままに眠気に意識を奪われた。
槙が帰ってきたことも、彼が何もかけずに寝ていた小夜に布団をかけてくれたことも気付かなかった。