World of Game
普遍な日々
翌日、小夜はいつものように学校へ行き、帰ってきた。
男が現れたことで日常が一気に崩れていってしまうような気がしていた小夜は、無事に家に着いたことで安堵する。
そのせいもあってか、自分の部屋でベッドに倒れこむとどっと疲れが押し寄せてくるのを感じた。
でも、そんな日々が幸せだった。
忙しさに追われ、不安を感じる暇すらもない。
昔の体験で他人と距離を置きがちだったのに、あのことを打ち明けた後はクラスの友人たちと普通の接し方が出来ることに喜びも感じていた。
いつまでもこうして日々が続けばいい。
他人にとってはこの日々は当たり前に過ぎない。
こうやって単に日々をすごして年老いて死ねばいい。
それが出来ないことはない。
あの男の話だって、言ってしまえば此処とは何の縁もゆかりもない場所。
本当は無視したっていいんだ。