【いつきの小説講座】巻ノ弐
ではまず、キャラクターを作る上で何が1番大事だと皆様思いますか?
容姿?
年齢?
性別?
口調?
いえいえ、1番大事なのはずばり、
『性格』
です。
ただし、性格といっても『やさしい』であるとか『お調子者』であるとか、そういう単純なことだけではありません。
もっと詳しく、好きな物や場所、服装の傾向、趣味や出来れば“よくやるクセ”まで。
そしてその中でも最も重要なのは、
『ゆずれないもの』
はなんなのか、という部分。
これはそのキャラクターの
『行動の基準』
となります。
例えば、異性がどうしても苦手であればどんなに相手がかっこよくて人気者でもいきなり付き合うことはないでしょう。
青いものを見るとどうしても触りたくなってしまうのであれば、あきらかに罠のスイッチとわかっていても押してしまうでしょう。
作法にひたすら厳しい人はお辞儀ひとつとっても出来ていなければいちいち説教をすることでしょうし、何がなんでも一人前の料理人になりたい人は例え先輩にイジメ続けられようと何度失敗を繰り返そうとも夢を諦めることはないでしょう。
これが『ゆずれないもの』であり、物語でキャラクターたちが動く上での基本行動の根拠となるのです。
これがなければキャラクターは薄っぺらいものにしかならず、本当の意味での個性は生まれません。
これがきちんとあるキャラクター。
このキャラクターだからこういう行動をする。
このキャラクターだからこういう結果が生まれる。
それがしっかりと描けている状態のことを、
『キャラクターが立つ』
というのです。