君に一番近い場所



「痛そ」

「そ?」



よく見たら
根津の顔は黒崎よりボコボコだった。

目元口元はさ、
切れててさ

頬には青あざ。



「黒崎なんかと付き合ってんの?」



なんか?
いやいや、黒崎にはあたしが付き合ってもらってるんだよ。根津。



と、言うより……



「……ぷ」



思わず笑いがこぼれてしまったわけだけど、
とっさに根津の顔を見たら根津は理解していなさそうだった。



「ぷはっ……」


その顔も一層面白かったから更に吹いてしまった。


そうだな、例えるなら
三毛猫が警戒してる感じ。



< 106 / 205 >

この作品をシェア

pagetop