君に一番近い場所
ある日のホームルーム中…
あたしの気持ちを
知るはずもないクラスの男子が
根津にこう聞いた。
なんでかその言葉だけは
クラスの雑音にかき消されること無く
あたしの耳まで届いた。
「根津ー…最近松尾とは、どうなん?」
「あー…」
あやふやな返事をする根津
友達との会話に集中できないあたし。
「どうなんだよーッ!焦らすなよー!!」
「あー…ってか、別れたから」
うるさかったクラスが
一瞬だけ静まった隙に根津の声が
狙ったかのように響いた。
それとも
逆なのかもしれない。
とりあえず
クラスは
静かだった。