君に一番近い場所



「綺麗だって思った」
黒崎の顔は
完全に闇に呑まれた部屋ではどんな表情をしているのか、分からなかった。



「死んだ奴に失礼だよな」
今度は間髪入れず続ける

「綺麗で恐かった。
あいつさ、元々肌白かったけどもっと白くてさ死んでんだけど……」



黒崎は今どんな顔で
話してるのかな?

あいつの事を



「死んでるくせに、
笑ってるんだよなぁ」



君が今、どんな気持ちで居るのかは分からないけれど


君は、あいつの死に
対面したんだね。



これだけは
分かるかな



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