君に一番近い場所



「こういう時は、泣いていいんだよ」




「……」



黒は、



固い
重い
冷たい



なんだか
そんなイメージ



でも彼は



柔い
軽い
優しい



これだけ黒を身につけている人なのに、
珍しいな。



「……ありがと」


黒崎はにこりと笑った。

「泣いてる千夏チャンにも興味あるけど、やっぱり笑顔が一番だよ」


黒崎は手をヒラヒラ振って
オレンジの教室から
出て行った。



< 54 / 205 >

この作品をシェア

pagetop