君に一番近い場所
「なかのー」
朝、
黒崎と一緒に登校して
席に着くと
葉賀が英語のノートと一緒に飛んできた。
なんとなく
その後の言葉が予想できたので
カバンの中から、自分では完璧だと思っている予習した英語のノートを葉賀に渡した。
もう、ごく自然に
鮭が滝登りするみたいに
それこそ水が川を流れるように
「サンキュ、」
「いいえ」
「ところでさ、」
「ん?」
と答えたのはいいけれど
次に葉賀の口から出た言葉に驚いた。
おかげで、しゃっくりが
止まったよ。葉賀さん。