紫陽花の咲く丘で
私は井村 眸、この世に生を受けてから、
十五年の日々が経つ中学三年生。
身長は百六十三センチ。
これ以上はもう勘弁ってかんじだけど、
こればかりは神に祈るしかない。
体重はひみつ!標準ちょい上ってかんじ?
こればっかりは神に祈るわけにはいかない。
成績は中の上・下をうろうろってかんじ。
毎回の通知表に書かれること、
『もっと真面目に勉強してほしい』
しているつもりだけどなぁ・・・

・・・・はい、嘘です、していません。

だって義務教育だもの、卒業できればそれでいい。
父・母各一人ずつに(一人以上いたら困るけどさ)
小五の弟が一人、それが私の家族。
両親は、新婚かってくらい仲がいい。
結婚十七年にして、未だに名前で呼び合うし、キスも・・・。
ホント、娘の私でさえ照れちゃうくらいにね。
でも、そんな二人にちょっと憧れるんだ。
私も将来の旦那様とは名前で呼び合いたいな!



「おはよう眸!」

「はよ〜」

なんて、自分の世界に浸っていると、
友人の清水 雪と川原 巴が隣の路地から合流する。

なんか、私はよく自分の世界に浸るらしい。
これは友人の、川原 巴女史の談。
私は中学から知り合ったけれど、どうやら二人は幼馴染みらしい。

「おはよ、巴がこの時間にいるなんてめずらしいじゃない?」

巴はいつも、義務教育は有効に使うべしとか言って、さぼることが多い。
しかしそれでも成績がいいところが、巴のすごいところだし尊敬するところだった。
(憎くもあるけどね 笑)

「雪にたたき起こされた。出席日数ちゃんと考えているから平気なのにさ、
うるさいったら」

「巴がサボるからじゃない。そうゆうのはいけないと思う!」

巴は身長が百七十近くあるが、雪は私よりも小さく、
一五六センチちょっとしかない。
巴は雪の頭の上に手を置き、下に力を加える。

「うるさいっての、兄貴の影響受けすぎお前」

「お兄ちゃんは関係ないわよ。私がや・な・の!」
 ってか、これ以上小さくなったら困るから、押すのは止めてよね」

雪も負け時と巴の手を跳ね返す。
雪の兄は私達の中学で理科を教えている、清水 隆先生である
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