pm13:00
…テスト当日の朝は、毎週水曜日に行われる全校集会で始まった。
校内放送が、騒がしい廊下に流れる。
―生徒は速やかに体育館へ移動し―…
人並みを掻き分け、大勢の生徒でごった返す廊下を歩く。
あれから、一人になりたいと呟いた安藤を残し、俺は保健室を出て教室に戻り、いつもどおり授業を受けた。
―…ただ。
午後一時に昼休みを告げるチャイムが鳴っても、屋上には行かなかった。
そこに安藤が居ない事は分かっていた。
安藤が言っていた言葉が、何度も心の中で児玉して、心を埋め尽くす。
…それでも俺は、何もできないままで。
そんな自分が情けない。
そのまま、もやもやとした気持ちを抱え歩みを進めていると、後ろから肩を叩かれた。
「―会長、」
声の主に眉間に皺を寄せて振り返る。
キラリと光る、瓶底メガネ。
だいたいの場合、このネガネ野郎が俺の名前を呼ぶときは意地悪い笑みを浮かべているのだが、この日は、違った。
眉間に皺を寄せて、むつかしい顔でこちらを見ている。
嫌な予感が、胸を過ぎった。
薄い唇が動く。
「…安藤すみれが、三年生相手に暴れています」