pm13:00






四限目が終わり、終業のチャイムが鳴った。

クラスメートの殆どが、ぞろぞろと教室を出て行く。

「安藤」

鞄から一人分の弁当を出し、それを持って、他のクラスメートと同じく教室の外へ出て行こうとする安藤を、俺は呼び止めた。

首を傾げてこちらを見つめてくる大きな瞳と目が合う。

−テストが終われば、この関係も、そこで終わる。

…だが。



俯き、短く息を吐いて、口を開く。



「…これからも

弁当、作ってくれないか」


顔を上げて反応をうかがうと、目を見開いている安藤。

間を置いて、その表情がふわりと緩んだ。
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