pm13:00
「変なやつだな、お前は」
そう言って、安藤は困ったように笑った。
「これからも、私のあの目茶苦茶な弁当を食べたいなんて。味音痴か」
言いながら、
鞄から花柄の包みを取り出す。
「……いつもの癖で、作ってしまったんだ」
頬を赤らめてぼそぼそとそう零す安藤と、見覚えのあるそれに、思わず笑みが零れる。
いつものように、乱暴に手渡された包みを受け取る。
かわいらしい花柄に、目を細めた。
「…すまなかった」
小さくため息をついてぽつりと呟かれたその言葉に視線を向けると、眉を下げて俯いている安藤。
「折角教えて貰ったのに………あれでは結果が出たなんて言えないな…」
俺はそれに口端を上げて、気にするな、と笑いかけた。
「…でもやっぱり、教えた側としては悔しいからな。だから、」
視線を上げた安藤と、視線が絡み合う。
「解るまで何度だって、教えてやる」
……悔しい、なんて
本心で無いことを口走って
こうしてまた
安藤に関わり続けようとする。
俺を、こんな、狡くて格好悪いやつにしてしまう、安藤。
…きっと一生、敵わない。