お兄ちゃんの恋〜『永遠』番外編〜
今日はカズくんに頼んで大学に連れて来てもらった。

進学に迷う私をカズくんが心配してくれたんだ。


初めてみる大学のキャンパスはとても大人の世界に見えた。


その中を堂々と歩くカズくんはいつもより少し遠くに感じてしまう。



時々かけられる声。



女の人がやっぱり多いような気がする。


その度、自分がすごく幼い気がしてわざと離れて歩いてみた。


「陽菜、どうしたんだよ」

「べつに。なんでもないよ」


カズくんが時々歩きながら自分の勉強してることとか先生のこととか話してくれるんだけど、ほとんど耳に入らなかった。


「…陽菜?大丈夫?少し疲れた?」


疲れたわけではないんだけど…なぜか今までで一番私カズくんとの年の差に焦ってるのかも。


どうしたんだろ、私。
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