お兄ちゃんの恋〜『永遠』番外編〜
私は花火をつかんで外に出た。



会いたい。



パパとママに会いたいよ。


いつもの公園にはもう人はいなかった。



ベンチに座ってライターで花火に火をつけた。


少ししけってたのかなかなかつかなかったけど、何度目かでパチパチと色とりどりの火花が散るのを私はながめていた。


小さい頃の思い出が蘇る。

次々と花火に火を点す。



火花が散ってる間はパパやママがいたころの幸せな気分に浸れる気がして。



そういえばこんな童話があったよね。


『マッチ売りの少女』


確か女の子は死んでしまうんだけど、きっとマッチの火が点ってるとき、きっと幸せだったんだろうな。
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