Sweetなキミへ
「遥……俺な、俺さ………」
「拓哉!私、拓哉が好き!!!」


そう言って彼女は俺に抱きついた


え~!!!!


心の中で俺は驚きの声を上げた


『拓哉が好き』


タクヤ
たくや
……拓哉って俺!?


その意味がようやく理解出来てから、遥の背中に俺も手をまわす


「ってか、俺のセリフ取らないでくれる?」

「良いじゃん!だって今日はバレンタインデーだよ?女の子が告白できる勇気をもらえる日じゃん」


自然とこぼれる笑みの中、俺たちは「ひゅー♪」という歓声で現実世界に引き戻される

忘れていたが、ここは店の中だった

人数が少なくなっているとはいえ、店内にはお客が残っていた

「おめでと~」


遥の友達がそう言いながら、こっちを向いて手を振っている

まぁ良いか

今日はバレンタインだし

町中が愛で溢れているわけだし

でも、1つ


「俺も好きだよ、遥」



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