Sweetなキミへ
それからの俺の家の店はというと……


「拓哉くーん❤」


俺目当ての学校帰りの客が、大幅に増えていた

あの日店にいた同じ学校のヤツらと、遥の友達が広めたよう

その噂が広まった翌日には、新聞部の端っこに俺のバイト中の風景の写真付き宣伝が出ていた

一体、どうやってこの写真を誠が手に入れたかは、もう恐ろしくて知りたくもない


「なんか、このままだと私太っちゃうよ……」


部活帰りに必ず店に寄るようになった遥は、客の減った店内でそうぼやいた

遥は部活、俺はバイトで学校以外でなかなか会えない為に、遥はここにお茶しにやってくる


「大丈夫、遥がどうなったって俺は好きだから♪」
「はぁ!?そんなの口だけでしょ~。ってか、私が嫌なの!!」


口だけじゃないよ

だってスイーツよりsweetなキミだもの

俺が嫌いになれるわけがないのだから




❤ Fin ❤


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