5つ上の彼氏





「そう言えばまいって高校の入学式いつだっけ??」



「明後日だよ。」



「また会えない時間が増えるな……。」



寂しそうに言う仁くん。



そうだよね。



あたしの高校生活がスタートすれば会えない毎日が始まるんだね。



仁くんがあたしと同じ高校生だったらよかったのに…。



あたしが仁くんと同じ21歳だったらよかったのに…。



会えないのはやっぱり寂しいよね。



いつも仁くんの側にいたい。



でも、そんな事ムリだもんね。


「あたしも寂しいよおぉ。」



泣いてもどうしよもないのに。


涙が頬を伝った…――。



ごめんね仁くん。



こんなに泣き虫で寂しがり屋で…。



こんなんじゃ仁くんを困らせるだけなのに。



「会える日は絶対に会いに来るから。」



「うんっ!!ごめんね仁くん…。」



「なんで謝るんだよ??」



「だって、あたしが泣き虫で寂しがり屋なばっかりに…。」



「そんな事ない。まいの側にいつも居たいのは俺も同じだから。」



ねえ、仁くん…。



幸せなのに苦しいのはなんでかな??



仁くんを遠くに感じるよ…。



あたしは子どもで仁くんは大人なんだ。






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