真夜中の向日葵
洗面所で準備する僕の耳におふくろの声が聞こえる。

僕に言ってるのか、独り言なのか分からない。



「ねー、晶!聞いてるー?」



どうやら独り言ではなく、僕に言ってるようだった。

て言うか、あの事件って、どの事件だよ!と突っ込みたくなる。



「あー、そうなんだ」



だけど僕は適当に返事する。

洗面所の壁の時計を見て僕は「やべっ」と小さく声をあげ、バタバタと玄関に走った。




「じゃ、行って来るから!」

「気をつけてねー」



急いで靴を履き、自転車に飛び乗ると、僕は国道に向けて猛スピードで走り出した。

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