真夜中の向日葵
「あー、思い出した。前にユウヤさんと話してた坊主!」
馴れ馴れしく僕のことを坊主と呼ぶこの男。
サッと血の気が引いた。
聞くまでもない。
前に僕がユウヤさんと話していたことを知っているということは、あの場にいた暴走族の1人だということだ。
「どっかで見たことあるなぁって思ってたんだよ。なに?ガッコ、この近くなのか?」
暴走族ってのはこうも馴れ馴れしい人種なのか?
いや。
きっとこの後、僕を恐喝するのかもしれない。
黙り込んでしまった僕に、男はさらに続けた。
「前に頭やってた人のこと聞いてたらしいな」
その馴れ馴れしさが永輝さんに結びついてしまったことに、僕は驚きを隠せなかった。
それは当然のことかもしれない。