真夜中の向日葵

「話、かみ合ってねぇよ。まずオレに話させろ。おまえは黙っとけ」



なんでこうも俺様主義なんだよ。

暴走族って人種は。


僕はイライラしたけれど、とりあえず言われたとおりに黙る。



「永輝くんはさ、はっきり結果が出るまで何も話さないヤツなんだよ」

「……えっ、じゃあ…」



僕が言いかけると、遼太郎さんが「黙っとけって言ったろう?」と言わんばかりに、鋭い目で睨みつける。

僕は慌てて口をつぐむ。



「柚羽さんのこと、ちゃんと好きだったと思うよ。永輝くんは」



同時に、かんなさんのことも好きだったんじゃないの?

黙ることを強制されている僕は首を大げさに傾げ、遼太郎さんに疑うような態度を見せた。

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