真夜中の向日葵

「……どうしたんですか?」



車の持ち主・遼太郎さんは、走ってくる僕を見るなり、車に乗るように言った。

昨日は正門前に止めたまま、車の中で話をしたけれど、今日は僕が乗るなりすぐに車を出した。



「どこ行くんですか?」



僕がそう聞くと、遼太郎さんは笑って「2日連続、正門前はヤバイからな」と言った。




車は中心街を通り抜け、次第に田舎道へと向かう。

その田舎道を通り抜けると、あたりが次第に山々に囲まれ、峠道になってくる。


遼太郎さんは峠道にある小さな駐車場に車を止めた。



「あそこだよ。永輝くんが死んだ場所」

「えっ?」



少し先にあるカーブを遼太郎さんが指さす。

< 130 / 169 >

この作品をシェア

pagetop