真夜中の向日葵
「……どうしたんですか?」
車の持ち主・遼太郎さんは、走ってくる僕を見るなり、車に乗るように言った。
昨日は正門前に止めたまま、車の中で話をしたけれど、今日は僕が乗るなりすぐに車を出した。
「どこ行くんですか?」
僕がそう聞くと、遼太郎さんは笑って「2日連続、正門前はヤバイからな」と言った。
車は中心街を通り抜け、次第に田舎道へと向かう。
その田舎道を通り抜けると、あたりが次第に山々に囲まれ、峠道になってくる。
遼太郎さんは峠道にある小さな駐車場に車を止めた。
「あそこだよ。永輝くんが死んだ場所」
「えっ?」
少し先にあるカーブを遼太郎さんが指さす。