真夜中の向日葵

結構急なカーブで、道路に沿っているガードレールの下は木々が生い茂り、谷底のようになっていた。



「あそこをさ、突き破ったんだよ」

「……あんなところから……」



僕は絶句した。

永輝さんが最期に見た景色。

それを見ながら、永輝さんは何を思ったのだろう。



「今日、おまえに会いにきたのは、これを渡そうと思って」

「………?」



手渡される、小さな箱。

僕は中身が何か分からず、そっと開けてみる。



「……指輪?」



銀色に輝く1つの指輪が収められていた。

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