真夜中の向日葵

空に掲げるようにして指輪を見ると、裏側に何か刻印されていた。



【YUWA 1005 】



「ゆ…わ…、……柚羽!?」



あまりの驚きで、僕は素っ頓狂な声をあげた。

柚羽さんの名前が刻まれている、大きめの指輪。


それは、まぎれもなく……―――。



「永輝くんの部屋にあった。ずっと真実に目を背けていたけど、おまえと話しているうちに妙に気になってさ。昨日、あれから永輝くんちに行って見つけた」

「じゃあ、永輝さんが結婚するつもりだった人って…」

「柚羽さんだったんだよ」



興奮する僕とは正反対に、遼太郎さんは冷静だった。

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