真夜中の向日葵
ギャラリーが連なる後ろの方では、ナンパ待ちの女の子のグループが座り込み、ナンパする側の男の集団がニヤニヤしながらうろついている。



「なんか、いろんなヤツがいるんだな」



夏にたった1度だけ国道が歩行者天国になる祭りには来たことはあったけれど、それ以外で夜の国道に来たのは初めてだった。


昼間とは違う顔を持った国道。

年齢層さえも一気に下がり、騒がしさも昼間とは比べ物にならない。


いろんな目的で集まっている連中と、このお祭り騒ぎに僕の胸は踊った。



「気に入ったか?」



国道の様子に見入っている僕は、ワイドショーに釘付けになっているおふくろと同類だ。



「あぁ。すげーな」



僕の声が、突然聞こえてきたバイクの暴走音にかき消される。

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