真夜中の向日葵
ずっと握り締めていた指輪を柚羽さんに渡す。
柚羽さんは首を傾げながら指輪を受け取る。
「内側、見てよ」
「……?あたしの名前…?」
そう呟いた後、柚羽さんは「あっ」と小さな声を上げた。
「1005……。10月5日!永輝と初めて会った日……」
そうか。
名前の後の4桁の数字にはそんな意味があったんだ。
……死んでるっていうけど、柚羽さん、ちゃんと指輪を握り締めてるぞ?
やっぱり僕は騙されてたんだよ。
「ね、これ、どうしたの?」
柚羽さんが興奮気味に僕に聞いてくる。