真夜中の向日葵

柚羽さんは、話し始めた。


お祭り騒ぎが始まろうとしている国道を眺めながら―――。






――柚羽・最期の日――



「……5時かぁ」



永輝を探しに国道に初めて1人で行った。

なんの手がかりも、永輝の姿もなくて、あたしは翌日の講義を休むと決めてからベッドに潜り込んだ。



その2時間後の7時。

ドアをノックする音が聞こえた。



―――もしかして……。


夢の中でのことだろうと思ったけれど、それは現実のもので、あたしは玄関まで走って、勢いよくドアを開けた。

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