真夜中の向日葵
「あなたって、残酷な人よね。ただ存在しているだけで、あたしと永ちゃんを苦しめてる」
――ドクンッ……
心臓が鈍い音を立てて、一打ちする。
永輝と繋がりが全くない今も、あたしが存在している、ただそれだけで永輝とかんなさんを苦しめている。
あたしは呆然としてしまった。
「あなたがいなかったら、あたしたちうまくいってたのよ?」
震えるかんなさんの声。
あたしはうつむいたまま、何も返す言葉がなかった。
「一緒にいても、永ちゃんが考えているのはあなたのことだけ。ねぇ、見て?」
かんなさんがシャツの袖を捲り上げて、あたしの前に腕を差し出す。
痛々しいリストカットの痕。
真新しい傷がいくつもあった。