真夜中の向日葵
「あたしを殺す気?……お願い。永ちゃんを返して。あなたがいるから、あたしも永ちゃんも苦しんでるのよ?」
あたしがいるから……。
あたしが、永輝を好きになってしまったから……。
「……分かりました。近いうちに引っ越します」
「ね、意味分かってる?引っ越すとか、どこか遠くに行くとか、そういう問題じゃないの」
混乱して、かんなさんの言葉の真意が分からなかった。
「……消えてくれないかな」
「――――?」
「分かりやすく言うわね?あなたが生きてること自体、あたしたちを苦しめてるのよ!」
そうかんなさんが絶叫した後に、あたしの頬に強い痛みが走った。
震えるかんなさんの唇。
あたしはかんなさんに殴られた。