真夜中の向日葵
・悲しい瞳・
高校を卒業したら免許を取って、車を買う予定の幸喜と健二は、国道を走る車を真剣に見ていた。
「あれ、いいなぁ」
「あぁ、でもオレ、あのライトの形がどうもなぁー」
いろいろと言い合う2人の横で、僕の視線はその子に釘付けになっていた。
その容貌から、ナンパされに来たという雰囲気ではない。
肩にかかるか、かからないかの髪。
気合を入れていない、ナチュラルな化粧。
ただ、ぼんやりと国道を眺めている。
「……どうした?晶」
「あっ?あぁ、いや、別に」
僕はその子から視線を外し、国道を走る車へと移す。
幸喜と健二が再び車の話を始めると、僕はまた、その子の方を見た。