真夜中の向日葵
誰かと待ち合わせでもしてるのだろうか?
……こんな場所で?
いやいや、実はナンパ待ちなんじゃないのか?
「あたしはその辺のチャラチャラした女とは違うわよー」って。
………うーん……。
まぁ、どうでもいいけどさ。
その子から視線を外そうとした瞬間だった。
その子がハッとしたような顔で国道に2、3歩駆け寄る。
なんだ?
僕もその子につられて、国道の方を見る。
目の前を走り去る、一台の赤いスポーツカー。
国道とその子を見比べるようにして、僕は素早く何度も視線を行き来させる。