真夜中の向日葵
だけど、否定も空しい。
初対面の彼女に声をかけてきた時点で、彼女からしてみれば僕はただのナンパ男だ。
「ただ君が、悲しそうに国道を見ていて。気になって。誰か探してるのかな?って思って」
言い訳しているみたいだったけれど、それが本当の気持ちだった。
彼女は必死に弁解する僕を見て、吹き出した。
「分かった、分かった。もう、いいって」
そう笑うけれど、彼女の目は憂いを帯びたままだった。
表面だけの笑い顔は、見ているだけでつらくなる。
無理して笑うことないのに……。
「……でも、ちょっとだけ落ち込んだ」
国道を走る車に再び視線を向けて、彼女は淡々と話し始める。