真夜中の向日葵
僕は幸喜たちと一緒に来ていることをすっかり忘れていた。
永輝という人のことには触れず、柚羽と、年はいくつだとか、当たり障りのない話をした。
……柚羽、じゃない。
柚羽「さん」だ。
柚羽さんは僕よりも2つ年上だった。
年上だと知って突然、敬語を使い始めた僕に、柚羽さんは「気持ち悪いよ」と笑った。
初対面の人とよく話す、当たり障りのない話題。
それでも僕の顔には、永輝という人と柚羽さんのことが知りたいと書いていたのだろう。
「……話、聞きたい?」
柚羽さんは少し困ったような顔をしてそう聞いてきた。
「いや、話したくないのなら別に……」
「うそ。晶くん、耳大きくなってるよ?」
「えっ!?」