真夜中の向日葵
玲奈は真剣な眼差しで僕を真っ直ぐに見て、はっきりとそう言う。
「……そっか。なら仕方ないな。分かったよ」
僕がそう言うと、玲奈は安心したように笑った。
玲奈と付き合い始めたきっかけは、玲奈からの告白だった。
高校1年の夏休み直前。
通学でいつも利用していたバス停で、僕は近くの女子高に通う女の子に呼び止められた。
それが、玲奈だった。
少し離れたところで、女の子が数人、ハラハラしたような顔でこちらを見ていた。
緊張で声が震えていた玲奈。
その状況から僕は、「あぁ、告られるんだな」と直感した。
直感通り、玲奈は僕に、いつもバス停で見ていたこと、僕を好きだということを、言葉に詰まりながら話し始めた。