真夜中の向日葵

待ちに待った、週末の夜がやって来た。

いくらおふくろがニュースに釘付けになっているとはいえ、こうも毎週末に出歩いていたら、大目玉喰らうだろうと思った。



「……夜中に勉強したいから、今から寝るわ」



ない頭を絞って出したウソ。



「あら、そう?まぁ、夜中は静かだから、勉強もはかどるかもね」



驚くほどに、あっさりと納得するおふくろに呆けてしまった。

こんなにもドキドキしながらついたウソだったのに。



僕は部屋に戻って、クローゼットの中からコートやジャケットを何枚も取り出した。

それをベッドの中にねじ込み、人が横たわっているかのように形を整えた。



「よし!」



そっと窓を開け、事前に部屋に持ち込んでいた靴を外に出す。

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