真夜中の向日葵

部屋が1階でよかったとつくづく思った。

自転車は出す時に音でバレてしまうから、今日は歩いて国道まで行かないといけない。

長い距離だとは思ったけれど、面倒だとは思わなかった。




「……今日は1人なの?」



1週間ぶりに会う柚羽さん。

当たり前のことだけど、何一つ変わっていなくて、なんとなく安心する。



「うん、今日は1人で来た」

「あらあら」



年下の僕を子ども扱いする。



「で?……話してくれるんだよね?」



子供扱いされたことが尾を引いていて、僕は口を尖らせて聞いた。



「……そうね」

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