真夜中の向日葵

「……ねぇ」

「うん?」



そんな顔をする理由が分からなかったのは、僕の頭の中が単細胞だからだ。



「暴走族の人たちに直接聞くつもり?……大丈夫?」



単純すぎる僕はそこまで考えていなかった。


車やバイクで暴走し、ケンカなんて当たり前。

聞けば、永輝さんはかつて拉致られて半殺しになったこともある。


それが当たり前の世界で生きている連中に、ごく普通の高校生の僕がたった1人で……。



「あたし、永輝たちと対立していたっていう暴走族の名前も知らないし」



そうだよ。

もし僕が、なんとか勇気を出して聞きにいったところで、相手が永輝さんたちと対立していたという暴走族だったらどうする?

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