真夜中の向日葵
・救世主・
「……て言うか、おまえらの目的は勉強じゃなくてゲームだろっ!」
幸喜が予告した通り、僕は幸喜に連れられて健二の家へとやって来た。
健二は僕と幸喜の目的をずばりと言い当てる。
「いや、クーラーも目的に入ってるぞ」
真顔で言いながら幸喜は靴を脱ぎ、ずんずんと中に入って行く。
僕も「おじゃましまーす」と言って、健二に案内されるよりも先に中に入って行った。
「……ったくよぉ」
ぶつくさ文句を言いながら、部屋の主が後から入ってくる。
健二の机の上には参考書とノートが既に開かれていた。
僕たちが来る前から勉強していたらしい。
部屋の中央に置かれたテーブルで僕と幸喜は勉強を始める。
健二は自分の机で僕たちが来るまでやっていた勉強の続きをする。