真夜中の向日葵
僕は必死にそう願った。
神様なんて、普段は存在自体、信じていないのに。
こういう時だけは「神様お願いします」と頼み込む。
「相手は、うちの族の先代の頭やってたヤツだよ」
「……名前、教えてくれますか?」
……きっと。
神様は本当に存在しているんだ。
だから、都合のいいときにだけ神様に頼る、勝手な僕を見放したんだ。
「……永輝。結崎永輝……」
風が吹けば飛んでいきそうなほど、全身の力が一気に抜けてしまった。