真夜中の向日葵
「ね、晶くん。今日はこれで撤収して、ウチにこない?」
悲観に暮れる僕を柚羽さんが誘う。
「えっ?ウチって……」
「あたしのアパート」
「いや、でも……」
永輝さんとの思い出が詰まった部屋に、知り合って間もない僕が足を踏み入れてもいいのだろうか。
「遠慮しないで。いつも探してもらっているお礼に、コーヒーでもどう?」
「……いや……」
遠慮がちになる僕の手を柚羽さんが掴む。
「さっ、行くよ?」
柚羽さんは笑って、強引に僕を国道から連れ出した。