真夜中の向日葵
「……あたし、吸わないわよ?」
灰皿をじっと見ていた僕に柚羽さんがコーヒーを運びながら言った。
カチャカチャとコーヒーを差し出す柚羽さんに、僕は「飾ってるだけ?」と聞く。
「ううん、これは永輝が使ってたの」
「…そう…なんだ」
何もかもが永輝さんと繋がっている。
それを知らずに聞く僕。
自分の首を自分で絞めているような気持ちになった。
「……晶くん……」
湯気の立つコーヒーを一口飲んで、柚羽さんが口を開く。
「ごめんね。面倒なことに巻き込んでしまって」
「……そんな、面倒だなんて」