真夜中の向日葵
第5章―現実―
・小さな花・
夜の僕は、二度と会うことのできない人を探す頼りない探偵。
そして昼間の僕は、大学受験を控えたごく普通の高校生。
永輝さん探しの条件として、勉強も頑張ると柚羽さんに約束したから、僕は他の受験生よりもハードな毎日だった。
『でさ、今週末に国道行かね?』
幸喜が久しぶりに国道へと僕を誘った。
一瞬、僕は躊躇した。
柚羽さんのそばにいたい。
だけど、親友の誘いを無碍に断ることもできない。
一度くらいなら。
柚羽さんのアパートも分かったから、何かあればアパートに行けばいい。
そんな答えがすぐに出てきて、僕は幸喜の誘いを受けた。
『あー良かった。おまえ、あれっきり国道に誘わねぇから、もう飽きたかと思ったよ』
幸喜は大喜びしてそう言った。