真夜中の向日葵
――♪♪~♪
ぼんやりと花を眺めていた僕を我に返らせた携帯の着信音。
「ごめん、ちょっと」
僕は携帯を取り出して幸喜と健二から少し離れたところで電話口に出た。
足元には、あの小さな花。
まるで僕の顔をじっと見ているようだった。
「もしもし?」
『……晶?』
相手は玲奈だった。
ずいぶんと長い間、会っていない感じがした。
無理もない。
僕の頭の中は永輝さんと柚羽さんのことでいっぱいになっていて、玲奈という存在は完全に無くなっていたからだ。