真夜中の向日葵

玲奈と話を終えると、足元の小さな花が小さく揺れていた。


僕は、永輝さんと違う。

今だって、はっきりと玲奈を突き放した。


曖昧な態度の永輝さんとは違うんだ。



『永輝さん、死んだんだよ』

『永輝が、あたしに会いに来るわけないのに』



頭の中で重なるユウヤさんと柚羽さんの声。


柚羽さんに、きちんと話そう。


永輝さんがかんなさんと結婚する予定だったことを。



そして。



永輝さんがもう、この世に存在していないことを。

< 95 / 169 >

この作品をシェア

pagetop