真夜中の向日葵

・打ち明けるとき・


夏休みも残り2週間。

それは柚羽さんも同じだ。


高校3年の僕は受験一色の毎日が始まるから、そう毎週、国道に行くわけにはいかない。

行けば、きっと柚羽さんに怒られるだろう。



週末、すべてを伝えるために、僕は国道へと行く。

先週見た、ところどころにあった小さな花たちは姿を消していた。



「晶くん!」



国道に行くと、おもしろいくらいに柚羽さんがいる。

会いたいと思えば、柚羽さんは必ず僕の前に姿を現した。



「先週、友達と一緒だったね?」

「えっ?見てたの?」

「うん。けど、邪魔しちゃ悪いと思って、声はかけなかった」



かけてくれても良かったのに、と僕は思った。

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